多くの旅行者は東大寺を訪れても、人波に押されて大仏殿に入り、盧舎那仏の前で一枚の写真を撮って去ってゆく。あの高さ15メートルの青銅の大仏を見ても、「華厳」という語の背後にある宇宙観——一即一切、一切即一、毘盧遮那仏の身にこの世界のすべてが映る——には、ついぞ本当には踏み込まない。この企画が開くのは、同じ世界遺産のもう一つの姿だ。東大寺が自ら建て、自ら営む文化の中枢である。
それは大仏殿へと続く参道の傍らに立つ。8世紀、聖武天皇は国力を傾けて大仏を鋳造し、「一枝の草、一把の土を持ちて助けんと願う者あらば、これを聴す」と説いた——全民の力によって共に発願され、建てられた寺である。今日、東大寺はこの千年の重みを総合文化センターに収める。東大寺ミュージアムには法華堂などから遷された国宝級の仏像と寺宝が並び、客はほとんど人のいない静室で、8世紀の塑像と対面する。そして金鐘ホールの約300名の空間は、晩餐やレセプションを「華厳の場」の文脈のもとに置く。
企画を組む者にとって、これは行事全体の「格」を国家級へと一気に引き上げる一枚である。会議室を借りるのではなく、大仏へと続く参道の上、東大寺直営の文化空間でゲストを正式に迎え入れる——世界遺産が自らあなたの行事を裏書きする。この「千年の古刹に受け入れられる」重みは、一般のホテルの宴会場ではけっして得られない。
注:入場と利用は奈良県観光連盟(ビジターズビューロー)を通じた調整を要し、平時から一見の客が予約できる宴会場ではない。