奈良の世界遺産の密度は日本随一である。にもかかわらず、長らく大型の国際会議が奈良で開かれることは難しかった——この古都の重みに見合う、千名級を収容できる会議の拠点が欠けていたのだ。奈良県コンベンションセンターの登場は、この欠けたピースを埋めた。平城宮跡と奈良公園のあいだに立ち、世界遺産に囲まれた、県内最大の会議施設である。
二千名規模の会議ホールと「天平の間」を中核とするが、より肝心なのは——隣にJWマリオット奈良があり、周辺の世界遺産やユニークベニューとなりうる場所がいずれも徒歩圏にあることだ。これが、きわめて稀少な「歩けるMICE」という構造をかたちづくる。会議はここで行い、宿泊は隣接するホテルで、晩餐と接待は東大寺の文化空間、春日大社、あるいは紫翠へと移せる。古都の世界遺産群が、この会議の延長された舞台となるのだ。
提案に携わる者にとって、これは奈良MICEの「拠点(ベース)」である。それ自体が高機能な現代の会場だが、真の価値はこうだ——奈良の世界遺産級のユニークベニューを、徒歩距離ですべて一続きのキュレーション可能な行程へとつなぐ。千名級の国際会議に、専門的な収容力と、世界遺産という文脈での実現の双方を与える。「千年の古都で会議を開き、しかも歩いて大仏や神社にたどり着ける」——この一言そのものが、奈良ならではの提案の武器となる。
注:二千名会議ホール・天平の間・JWマリオット隣接・徒歩圏の世界遺産は公表情報。具体的なホール構成や費用は個別問合せとし、確定値を書き込まない。