志摩観光ホテル ザ クラシックは、日本の戦後外交と美食の記憶がそのまま建築になった場所です。2016年、世界の目が賢島に集まった——G7伊勢志摩サミットで各国首脳が滞在した舞台が、まさにここ。だがその「格」は一夜で生まれたものではない。1951年の開業以来、昭和天皇をはじめ数々の賓客を迎え、山崎豊子『華麗なる一族』の舞台にもなった、70年を超える名門です。
設計を託されたのは、昭和を代表する建築家・村野藤吾。英虞湾を望む丘に立つクラシック棟は、時代に流されない端正さで、いま訪れても「新しさ」ではなく「変わらない品格」で客を迎える。2016年6月、開業当時の空気を保ったままロビー・客室・ダイニングを改修しリニューアル——サミットの舞台にふさわしく整えられた。
もう一つの代名詞が「海の幸フランス料理」。約200gの伊勢海老を丸ごと使い、濃厚なアメリケーヌソースを絡めた『伊勢海老アメリカンソース』は、35年以上変わらぬ味でゲストに愛され続ける看板だ。伊勢海老の旨味を凝縮したクリームスープと並び、この地でしか完成しえない一皿——賢島は伊勢海老フレンチ発祥の地であり、その伝統の総本山がこのダイニングなのだ。
提案では、これは行程の「クライマックス」を担う一枚。歴史的権威(サミットの格)と美食(伊勢海老フレンチ)を同時に差し出せる稀有な会場——MICE主催者の記念ディナー、あるいは一生に一度の記念滞在に、これ以上の説得力を持つ舞台は多くない。