箱根・小涌谷の丘の上、五層の岡田美術館は、近世・近代の日本画と、東アジア(中国・韓国・日本)の陶磁の一流のコレクションを収めています。常設展示は約450点、ほかに縄文土器、埴輪、仏像・仏画、蒔絵、玉器、ガラス器——古今を横断する、驚くべき規模の私設美術館です(2013年開館)。しかし、この美術館の真価は、昼の展覧会にはありません。ただ一組の客のためだけに開かれる、あの夜にあります。
1日1組限定の貸切企画は、閉館後の美術館まるごとを一組の客に独占させます。学芸員が自ら案内し、人けのない展示室で、普段は人波に囲まれている名品を一点ずつ解説する。写経や瞑想を加えて館内で心身を鎮めることもでき、湯立獅子舞やジャズの演奏を合わせれば、美術館が夜、あなただけの劇場へと変わります。館外には約15,000㎡の庭園と、100%源泉かけ流しの足湯カフェ——芸術、静寂、温泉が、同じ丘の上で完結します。
提案者にとって、これは「芸術×独占×癒し」の三位一体という切り札です。差し出すのは「美術館を見学する」ことではなく、「閉館後の美術館が、あなたたちのためだけに存在する」という一夜そのものです。学芸員に一対一で名品を案内され、無人の展示室で写経する——この静けさと、丁重にもてなされる感覚こそ、最高級の顧客が対価を払う価値です。箱根の温泉宿泊と組み合わせれば、「芸術による癒しの旅」がここに成立します。