2022年、中之島のスカイラインに、漆黒の巨大な立方体が加わりました——大阪中之島美術館です。建築家・遠藤克彦は、外からは沈黙する黒い箱のように見せながら、内部を一階から五階まで貫く「パッサージュ(通路)」で断ち割りました。高くそびえる吹き抜けは、宙に架けられた都市広場のよう。長いエスカレーターが人を上へと運び、視線は黒と光のあいだを絶えず行き来します。これはありふれた美術館ではなく、「歩いて入れる建築作品」そのものです。
そのコレクションもまた大阪の背骨を成しています。佐伯祐三、そして吉原治良を中心とする「具体」美術協会——国際的に高く評価されるこれらの名が、「大阪のモダニティ」を壁の作品として立ち上がらせます。会議が終わり照明が落ちるころ、この黒い箱の吹き抜けにレセプションを置けば、来賓が杯を掲げる背景は、ありきたりの宴会場ではなく、現代美術と前衛建築そのものになります。
企業ガラの主催者にとって、これは「クロージング級」の締めくくりの一手です。ブランドを芸術の文脈のなかで語らせる——現代的で、鋭く、文化的な厚みをもって。ホールは約300名を収容し、ワークショップ空間や屋外の芝生と組み合わせれば、会議後のクライマックスの一夜を、現代の美学をたたえつつ、程よく余白を残して設えられます。それが与えるのは復古の格式ではなく、「私たちは時代と芸術の最前線に立っている」という自己表現。文化資本でブランドを冠したい、けれど紋切り型には落ちたくない現代的なお客様に、まさにふさわしい場です。