鎖国の二百余年、出島は日本が西洋世界に向けて唯一開いていた一つの窓でした。この扇形の人工島は、当時オランダ商館(VOC)の置かれた地。西洋の知識、器物、医学、絵画のほとんどすべてが、この小さな埋立地から少しずつ日本へと浸透していきました。言い換えれば、近代日本が世界と出会う「起点」がここにあります。お客様を出島に立たせることは、その窓の敷居にお連れすることに等しいのです。
今日の出島には、当時の建物16棟が復元され、オランダ商館員の住まいから倉庫、料亭まで、19世紀の出島の街並みが立ち上がっています。静的な遺跡ではなく、歩いて入り、和服をまとって散策し、「交流が始まった地」そのものでイベントを催せる復元史跡です。歴史に通じたガイドが導き、この土地に再びその物語を語らせます。
企画にとって、出島の独自性は代えがたいものです。「日本と世界の交流の原点」という物語の、物理的な化身なのです。ここでレセプションや文化イベントを催せば、テーマを説明する必要はありません。足元のこの扇形の埋立地そのものが、「開かれること」「出会い」「東西の交わり」の、これ以上ない隠喩になります。「つながり」「異文化」「世界に向かう」といった企業テーマのいずれにも、出島は自ずと寄り添う舞台であり、和服で復元された街並みを歩くことは、来賓が自らを歴史のなかへ置く、やわらかな入口になります。