高尾山は標高599メートル。それでいて意外な二つの称号を握っています——「世界で最も登られている山」で年間の来訪者は約300万人。同時にミシュラン・グリーンガイド(2007年・日本版)で富士山と並ぶ三つ星の山でもあります。そしてビジネス客が最も驚くのは、都心から車でおよそ一時間という近さ。ふらりと訪れられる霊山なのです。
そのキュレーションとしての価値は、「力まずに、けれど確かに信仰へ分け入る」ことにあります。天平年間(744年)に行基が開いたと伝わる高尾山薬王院は飯縄権現を祀り、その眷属である天狗は神通力で除災開運をもたらすと信じられてきました。山腹を上れば、杉の参道、山門、天狗像が次々と迎え、一段の徒歩を軽やかな山岳信仰の巡礼へと変えます。全線にケーブルカーとリフトが備わるため、体力を問わず富士山を望む稜線まで登れる——多忙な会議の合間、一行そろって「自然でリセットする」理想の選択肢です。登山家でなくても、半日のうちに山の静けさに触れられます。
企画を組む立場からすれば、高尾山はインセンティブや法人団体がますます重んじる「ウェルネス×文化」の求めに応えます。森林浴と山岳信仰、富士を望む開放感を、都心から一時間で行ける半日に凝縮。エコガイドが導き、来賓は三つ星の山を歩きながら、天狗と修験の物語をも読み解きます。詰まった議程のなかで、自然と信仰にやさしくリセットされる一息を、お客様に。