日本は世界五大ウイスキーの産地の一つですが、宮城峡蒸溜所はそのなかでも格別です。モルトとグレーンの二種のウイスキーを同じ蒸溜所で仕込み——後者は稀少なカフェ式連続式蒸溜機で造られます。この古い製法は今や世界でも珍しく、それでいてグレーンならではの甘みとクリームのような丸みを保っています。創業者・竹鶴政孝は、渓谷と清流に抱かれたこの土地に心を動かされ、ここに蒸溜所を築いたのです。
お客様にとっては、「産地で一杯を読み解く」旅になります。無料のガイドツアーは、キルン塔(麦芽乾燥棟)、蒸溜棟、赤煉瓦の貯蔵庫を巡り、麦芽が一歩ずつ原酒へと変わる様を見せてくれます。終着はテイスティング——最大約30名で、酒香のなかニッカの作品を味わいます。ニッカはワールド・ウイスキー・アワードで幾度も国際的な栄誉に輝き、日本ウイスキーの世界的評価を代表する一つです。渓谷、赤煉瓦、蒸溜の熱気、そして杯のなかの琥珀が、奥行きのある感覚の体験を織りなします。
企画を組む立場からすれば、これは「文化×味覚×ブランド」を兼ね備えた一手です。世界級の産地で酒の誕生を目にし、赤煉瓦の庫のあいだで国際的な受賞を重ねる日本ウイスキーを味わう——一度の団体活動を、格調があり、知識もあり、ほろ酔いの愉しみもある産地の一講に変えます。報奨旅行や見識を重んじるMICE団体にとって、この製法から杯までの一貫した語りこそ、旅程の質を最も高める部分です。