香川において、うどんは主食ではなく、アイデンティティである——「うどん県」は冗談ではなく、この県が自らに与えた公式の別名だ。中野うどん学校 高松校は、その郷土の誇りを一講にまとめあげた。材料も道具もすべて揃い、ゲストは自らの手で一杯の讃岐うどんを打つ。粉を練り、足で踏み、延ばして切り、茹で上げるまで——打ち上げた麺はその場で味わうことも、持ち帰ることもできる。
最も実用的なのは、その規模だ。最大で約500名の大団体に対応する。この数字は重い。食体験のなかで、五百人が同時に手を動かし、同時に賑わえる場はきわめて少ない。そしてうどん打ちは、まさに天然のアイスブレイクとなる。足で生地を踏む工程は素朴で愉快、言葉が通じなくとも一緒に笑い声が上がる。「香川で最も象徴的な味」と「大団体でともに手を動かすこと」——この二つを、最も低いハードルで重ね合わせる。
提案の場では、「大型報奨団体のアイスブレイク」に誂えたような一枚だ。近寄りがたい希少性を追うのではなく、「郷土のアイデンティティ + 手づくりの実践 + 大規模チームの空気」を、この上なく使いやすい形に磨き上げている。とりわけ団体規模が大きく、ほかの体験では受けきれないときも、中野うどん学校ならば全員でともに打ち、ともに食べ、ともに笑える。香川の瀬戸内アイランドホッピングや直島の芸術と組み合わせれば、「うどん県」の行程に、この土地の暮らしに最も寄り添う一駅が加わる。