日本画(にほんが)は誤解されやすい言葉です。「日本人が描いた絵」ではなく、一揃いの具体的な作り方を指します——鉱物を砕いた絵の具、膠、和紙または絹。色は鉱石そのものの色ですから、褪せることはなく、ただ沈んでいきます。明治以後に西洋画が入ってきたことで、かえってこの作り方が意識して守られ、一つの分野になりました。
山種美術館は日本で最初の日本画専門の美術館です。一九六六年、ある金融家の個人蔵を母体として開かれ、いまもこの一事だけを続けています。東京では総合的な大館をいくつも見ることになりますが、ここの壁には端から端まで一種類の絵しかありません。
会場は展示室とロビー(一〇〇㎡・立食五〇名)。規模は小さく、ですから向くのは五十名までの、本当に絵を見たい団体です。大人数で来ると、絵のほうが見えなくなります。
日本画は季節感が際立って強く(春の桜、夏の水、秋の草、冬の雪)、一つの展覧会そのものが、日本人が四季をどう見てきたかを語っています。所在は広尾で、六本木・恵比寿のあたりからすぐです。