サステナビリティは、たいてい提案書の一枚目に並ぶきれいな一行で、当日そこで実際に起きることとはあまり関係がありません。ここは逆です。その一行が、足もとにあるこの建物そのものなのです。
お台場の湾岸に建ち、開いたのは2025年の秋です。屋根は太陽光パネルで埋まり、一年で起こす電力は形ばかりのものではありません。手を洗う水も、木に撒く水も、多くは受けた雨と、一度使って浄めた水です。敷地は半分近くを建てずに残してあるので、人は空いた土地のほうから入ってきます。建物と建物の隙間を縫って押し合う必要がありません。日本で初めてLEED Goldを取得したアリーナ級の施設——けれど実際に入ってきた人がまず感じるのは別のことです。開けている、ということ。
中は、また別の気性をしています。床は姿を変えます。今日は一万人規模の大会として敷き、明日はばらせば展示ブースのあいだの通路になる。中央には巨大なLEDが吊られ、照明を落とせば、一万人の顔が一斉に浮かび上がります。上階のVIPエリアには開けたテラスがついていて、シェフは数歩先で鍋を振り、皿が運ばれてくるときにはまだ熱い。扉を押せば湾から風が抜けてきて、その下には会場全体が広がっています。
先にお伝えしておきたいことがあります。ここはまず、あるチームの本拠地であり、ツアーの一本の寄港地でもあります。お借りできる日は、そのシーズンと公演表のあいだから譲ってもらう日です——ですから日程の相談は、早いほど良いのです。
その夜テラスに立ったとき、お客さまはLEEDという四文字を思い出したりはしません。まず風を感じ、それからゆっくり気づくのです。会社が何年も書き続け、書類に刷り込んできたあの一文が、今夜は自分たちが立っているこの場所そのものなのだ、と。
大きな催しが終わったあと、人が覚えているのはたいてい規模だけです。今回は、もう一つ残ります——あの日自分たちがいた場所そのものが、この会社の言いたかったことを、すでに言い終えていた、ということ。