舞妓の一日は、夕暮れから始まります。彼女たちの場所はお座敷です。そして多くの旅人にとって、彼女たちとの接点といえば、暮れなずむ石畳を足早に去っていく後ろ姿か、ピントの合わないまま撮れてしまった一枚の写真か、そのくらいのものです。
この一席は、その出会いを昼間に置きました。真昼の光が斜めに座敷へ差し込み、畳は日に温められています。まず運ばれてくるのは京料理のお昼の膳。それから襖が開いて、彼女が入ってきます。
昼の舞妓は、夜の舞妓とは違います。提灯もなく、お酒の匂いもなく、少し離れたところから眺める見世物めいた気配もありません。目の前で京舞を一さし舞い、袖が畳を掃く音まで聞こえます。舞い終えると座って、一緒にお座敷遊びを一巡り——花街で何百年も変わらない遊びで、負けた人には罰があり、そして彼女はたいてい、そっと手加減してくれます。
そのうちに、あなたは彼女に尋ねはじめるはずです。その髷はどれくらい重いのか、毎朝何時に起きて結うのか、どれくらいのあいだ髪を洗えないのか。稽古は何歳から始めたのか。花街の四季には、それぞれどんな決まりごとがあって、何を間違えてはいけないのか。彼女は一つひとつ答えてくれます。十七、八の女の子が、自分の仕事について話すように。そこにこそ、昼と夜の本当の違いがあります。夜の彼女は眺められるための姿ですが、昼の彼女はあなたの向かいに座る、具体的な仕事と具体的な苦労を持ったひとりの人です。
この席に着くのは二人から八人まで。ですから彼女の心配りは、本当にひとりひとりに行き渡ります——いちばん小さなお客さままで。子どもが覚えているのは、たいてい着物の美しさではなく、「あの人が、わたしに話しかけてくれた」ということです。
写真の中にしかいないはずだった存在が、ひとりの人に戻る。この二時間が本当に持ち帰らせてくれるのは、そのことです。